入園、入学の時期になりますと、お子さんをお持ちの方は小学校や幼稚園で使うグッズの手配で大変な方もいらっしゃると思います。
また、もうすぐ赤ちゃんとご対面される方、お生まれになった方も、我が子のためにグッズは手作りにしたいなあ、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのは、家庭用のミシンですよね。
本記事では、初めてミシン購入しようと考えておられる方のために、どのようなミシンを選べばよいかについて解説しております。
前回は、記事「ミシン初心者の素朴な疑問1:家庭用ミシンってどんな場面で使うの?」におきまして、ミシンを使う色々な場面をご紹介させて頂きました。
今回は、前回ご紹介した各々の場面で必要なのはどのようなミシンなのか、という点についてのご紹介になります。
連載記事 目次 (全三回)
第一回 ミシン初心者の素朴な疑問1:家庭用ミシンってどんな場面で使うの?(本記事)第二回 ミシン初心者の素朴な疑問2:この場面で必要な機能は?選び方は?
第三回 ミシン初心者の素朴な疑問3:子供用手作りグッズにおすすめなミシンは?様々な場面で必要なミシンの選び方
初心者がミシンをお選びになる際には、どこまでの用途で使用するおつもりなのかを把握することが重要です。
もし、ミシンの利用を入園や入学前に必要なグッズのためだけしかお考えでないのでしたら、ミシンは購入なさらずに、市販の物、作成代行サービスのご利用、もしくはどなたかにミシンをお借りになるなどをご検討いただいた方が、労力的にも経済的にもよろしいと思います。
ここでは、前回の記事「ミシン初心者の素朴な疑問1:家庭用ミシンってどんな場面で使うの?」で書きました5つの場面に分けて、それぞれの場面別にどの程度のミシンがおすすめなのかについてご紹介したいと思います。
更に「あると便利な機能」として、無くても問題ないのですが、あると便利な機能についてもご紹介しております。
入園や入学時のグッズ作り
入園や入学時に必要になるものとしては、以下の物が挙げられます。
- 手提げかばん
- 上履き入れ
- お弁当入れ
- エプロン
- ランチョンマット
- ランドセルカバー
- 各種名前付け
- スモック
などなど
これらのグッズに対応するためには、最低でも以下の機能を持っているミシンをお選びいただくのがよろしいかと思います。
電子ミシン
ミシンは大きく分けますと以下の3種類に分類されます。
名称 | 説明 |
---|---|
電動ミシン | 手動や足踏みではなくて電動モーターで動くミシン |
電子ミシン | 電動ミシンよりも高性能のモーターを使用して電子回路で制御されているミシン |
コンピュータミシン | 全体がコンピュータで制御されているミシン |
電動ミシンは、モーターのパワーをご自分で調節して動かしますので、一般的に初心者には扱いにくいようです。
コンピュータミシンは初心者でも扱いやすいものもあるのですが、一般的に多機能高価格です。
コンパクトサイズで小物作り用のパワーが低い低価格のコンピュータミシンもありますが、用途が限定されてしまいます。
ミシン初心者には電子ミシンをおすすめします。
簡単糸通し機能
ミシンの針に糸を通すのは、基本的に手動になります。
所定の位置に糸をセットしますと、ミシンが針に糸を通してくれる機能が付いているミシンもあります。
有るのと無いのとでは、使い勝手が大違いですので、付いているものをおすすめします。
手元ライト
どんなに部屋が明るくても、手元の明るさは、ライト付きにはかないません。
手元の見やすさは重要ポイントですので、ライト付きをおすすめします。
スロースタート
ミシンのスタートボタンを押した場合(フットコントローラの場合は踏み込む)、必ず針がゆっくり動き始める機能です。
危険防止と失敗防止という意味であった方がよろしいかと思います。
縫い方、模様(直線、ジグザグ、まつり、かがり、ファスナー、ボタンホール)
ボタンやレバーなどで縫い方を設定すると、自動的に設定した縫い方ができる機能です。
ここは好みがわかれるところですが、直線縫いとジグザグ縫いができれば大抵のものは縫えます。
最低、この2つはあった方が良いと思います。
洋服を作ることをお考えでしたら、まつり縫い、かがり縫い、ファスナー縫い、ボタンホール縫いができた方が良いです。
簡単下糸巻機能
下糸巻きは必須な作業ですので、簡単にできることを特徴として挙げているミシンをおすすめします。
筒縫いフリーアーム
ズボンの裾や袖口など、筒状になっている部分を縫うことを筒縫いといいます。
ミシンの土台の部分が外せる(フリーアームになっている)タイプのものは筒縫いが簡単にできます。
どの程度の筒の大きさから使えるのかを、事前に確認することをおすすめします。
押え(ジグザグ縫い、かがり縫い、まつり縫い、ファスナー縫い、ボタンホール縫い)
縫い方によって布を押さえる部分の金具(押え)を換えるのですが、前の「縫い方、模様」で書きました通りで、洋服までお考えでしたら、押えの種類も確認が必要です。
縫い目長調節
色々な厚さ生地を縫う場合、縫い目の長さが重要になってきます。
一般的に、薄い生地の場合は縫い目の長さは短め、厚手の生地の場合は縫い目の長さは長めにします。
縫い目の長さが適切でない場合、生地の伸び縮みが発生しやすくなります。
フットコントローラ
フットコントローラがある場合は、ミシン本体のスイッチではなくて、足でミシンを動かしたり止めたりできます。
そのため、常に両手を使うことが出来ます。
1度フットコントローラを使ってしまうと、無くてはならないものになると思います。
最初は無くても良いと思いますが、欲しくなった時に付けられるように、オプションで付けられるか確認されることをおすすめします。
ワイドテーブル
ミシンの布を置く部分に追加できるテーブルのことです。
これが付けられますと、ちょっと大き目のものがとても縫いやすくなります。
小物を縫う程度でしたら不要だと思いますが、洋服を作る場合はあった方が良いと思います。
これも、フットコントローラと同じで、標準で付いていなくても、欲しくなった時に付けられるように、オプションで付けられるか確認しておいた方が良いです。
耐久性とパワーと作業域の広さ
安いミシンですと、表面の素材がプラスチックだったり、パワー不足でちょっとした厚手の生地で止まってしまったり、作業域が狭くて大き目の服などを縫う場合に苦労するという場合があります。
長くご愛用頂ける後悔しないミシンをお選びいただくためには、これを犠牲にしないほうが良いと考えます。
一般的に、安いコンパクトミシンは、この3つがどれも標準以下のものが多いです。
入園や入学後の色んなイベントでのグッズ作り
入園や入学後に必要になるものとしては、以下の物が挙げられます。
- 手提げかばん(入園・入学時とは別用途)
- 各種ふくろ(入園・入学時とは別用途)
- 雑巾
- 入園や入学時に作ったものの補修
- お遊戯会や学芸会
- 運動会のグッズ
などなど
これらに必要なミシンは、「入園や入学時のグッズ作り」と同じレベルのミシンと考えて頂いて問題ないと思います。
ズボンの裾上げやちょっとしたほつれなどの修繕
ズボンやスカートなどの裾の調整を行う場合、良く問題になるのは、生地の厚さです。
ジーンズなどの場合は、せっかくの電動ミシンが、パワーが小さいために途中で止まってしまい、手でレバーを回して針を動かす手動ミシンになりかねません。
厚手の生地でも問題なく縫えるパワフルなミシンを選びましょう。
あと、「入園や入学時のグッズ作り」のところでも書きましたが、ズボンの裾は筒状になってますので、筒縫いフリーアーム機能付きのものを選んだ方が良いです。
ほつれの修繕には、まつり縫いやかがり縫いなどができるミシンが重宝します。
洋服を作る
一口に洋服と言いましても、ご存知の通りピンからキリまであります。
こちらもミシン初心者向けとしましては、最初は「子供さんのグッズ作り」用のミシンと同じレベルのもので良いと考えます。
といいますのは、そのレベルのミシンでも、簡単な洋服(ベルト無しスカートやズボン、ノースリーブのワンピースなど)でしたら、問題なく作れるからです。
複雑な洋服でも、慣れてくれば作れます。
1つ追加させて頂くとすると、洋服を作るようになりますと、ミシンの利用頻度が上がってくると思いますので、壊れにくい丈夫なミシンをおすすめします。
子供さんが利用する
子供さんが学校の授業でミシンを習って、興味を持った場合に使えるミシンとしては、とりあえず「子供さんのグッズ作り」用のミシンレベルのものがあれば大丈夫なのではないかと思います。
学校で使用するミシンが、そのくらいのミシンだからです。
また、お子さんが学校でミシンを習う頃は、ミシンを購入してからそろそろ7~8年くらいになっていると思いますので、買い替えを検討しても良いころだと思います。
その頃には、ご自分でどんなミシンが必要か判断できるようになっていると思いますので、お子さんと一緒にお選びになるもの楽しいのではないでしょうか。
あると便利な機能
無くても問題ないのですが、あるととても便利な機能をご紹介します。
但し、機能が豊富なミシンはそれだけ値段も高くなります。
また、機能を豊富にする反面、耐久性やパワーなどを犠牲にして値段を安くしたミシンなどもありますので、お選びの際にはご注意していただきたいと思います。
誤操作防止機能
エラーメッセージなどで誤った操作を行った場合に教えてくれる機能です。
ミシンは、誤った操作をしますと、まともに縫えなかったり、糸を絡ませてしまったり、針が折れてしまうということも起こりえます。
そうなる前に、ミシンに内蔵されたコンピュータが、誤った操作を検知して教えてくれます。
エラーメッセージが表示される画面は、暗めの場所でもはっきり見えるのもをおすすめします。
光らない液晶画面ですとメッセージが見えにくいです。
自動糸調子
布によって上糸と下糸の張り具合を調整する必要があるのですが、これを自動的に行ってくれる機能です。
標準的なコンピュータミシンには、大体この機能は付いています。
初めての方には糸調子の調整は大変だと思いますので、自動でやってくれるのでしたら、任せてしまいますと楽できます。
但し、糸調子の調整というのは、ミシンを使う上で常識的な知識の一つです。
コンピュータミシンといえど、万能ではありませんので、調整が必要になる場合があります。
ですので、手動での糸調子の調整はご自分でできるようになっていた方が良いです。
糸調子ができる人が楽するための機能、という感じで宜しいかと思います。
自動糸切り
単純に、縫い終わった後、ボタンを押すと自動的に糸を切ってくれる機能なのですが、あると作業効率が上がります。
無くても良いとは思いますが、標準的なコンピュータミシンには大体付いてますので挙げさせて頂きました。
厚物縫い
「子供さんのグッズ作り」用のミシンのレベルでも、ある程度の厚物縫いができるものがありますが、ここで挙げさせていただいたのは、厚物縫いが得意なミシンということです。
高価なミシンを購入される場合は、どのくらいの厚さの布まで縫うことができるのか確認した方がよろしいかと思います。
まとめ
今回は、ミシンの利用場面に応じたミシンの選び方についてご紹介させていただきました。
ミシンをお選びになる際には、本記事の内容を1つの基準としてご利用頂くと、色々なミシンの特徴がつかみやすくなると思います。
次回は、これまでの記事をふまえまして、実際におすすめするミシンをご紹介します。
題しまして「ミシン初心者の素朴な疑問3:子供用手作りグッズにおすすめなミシンは?」です。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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