防災の対策マニュアル「第一回 防災に必要な考え方」

自助・共助・公助の三角形

 地震や津波などの自然災害は、想像を超える規模で発生する場合がありますので、どんなに備えを万全にしていても、被害を無くすことは非常に困難です。

 しかし、日頃の防災対策によって、その被害を少なくすることは可能です。

 本記事は、私自身が、災害から自分や自分の大切なものを守るために必要な知識を身に付けるために、インターネットや書籍などを利用して様々なことを調べ、まとめた内容を共有することを目的として作成しました。

 今回、防災をキーワードとして様々なことを調べましたが、初めて知った知識やサービスが思いのほか多くてビックリです。

 今まで知ったつもりなっていた自分がとても恥ずかしくなってしまいました。

 本記事の内容をお読みいただき、その日が来ても後悔しないような備えをするきっかけにして頂けたら幸いです。

 自然災害には、地震、津波、火山噴火、洪水、がけ崩れ、暴風、竜巻、雪崩など様々な形態で発生しますが、本記事では、特に大規模災害につながる地震と津波について考えていきたいと思います。

防災への取り組みの分類について

 災害による被害をできるだけ少なくするための取り組みとしましては、以下に示します通り、大きく3つあるそうです。

  1.  一人一人が自ら取り組む「自助
  2.  地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助
  3.  国や地方公共団体などが取り組む「公助

 まずはこの3つの分類について説明します。

一人一人が自ら取り組む「自助」

 3つの中で最も基本となるのはこの「自助」です。

 これは、一人一人が「自分の身の安全を守る」ということを意味します。

 家族ある方は、自分よりも奥さんや子供さんの命が大事だ、と思われる方もいらっしゃると思います。

 でも、自分が被災してしまったら、助けたくても助けられない事態になるかもしれません。

 ここで言う「自助」とは、自分だけ助かれば良い、という意味ではなく、まずは各自で自分の身を守るということを基本な考え方とするということです。

 その考え方が身に付いていれば、いつもは家族一緒だけど、災害が発生した時、たまたま外出していて一人だった、という場合でも、各自最善の行動が出来て、家族の再会の可能性が上がると思います。

 また、自分が助かることで、家族はもちろんのこと、他人を救助することも出来るようになります。

 まずは「自助」を基本として、防災対策に取り組みましょう。

地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助」

 防災の基本は「自助」であると書きましたが、現実には自分一人の力というのは小さいものです。

 どんなに体を鍛えて強靭な筋肉をお持ちの方でも、打ちどころ次第では大怪我をする可能性があります。

 「自助」で対応が困難な場合は、家族や近所の人同士、もっと広い地域の人々が協力して助け合う必要があります。

 これを「共助」といいます。

 「自助」と「共助」は非常に重要な考え方で、政府機関のWebサイトでも、その重要性を訴えてます。

 その中で良く取り上げられているデータを掲載しておきます。

出典:内閣府 防災情報のページ「平成26年版 防災白書|図表2 阪神・淡路大震災における生き埋めや閉じ込められた際の救助主体等」

 生還者の実に9割以上の方々は「自助」と「共助」の力のお陰だったのです。

 もし、あなたが住んでいる町内会・自治会で、防災活動が既に行われている場合、是非とも積極的に参加しましょう。

 参加するという意思は「自助」であり、多く参加者の「自助」によって「共助」の力が高まることになります。

  国や地方公共団体などが取り組む「公助」

 防災に関する計画の作成・実施や相互協力は、国、都道府県、市町村、指定公共機関等の責務である旨が災害対策基本法に明記されてます。

 災害による被害を減らすことを減災といいます。

 減災のために、国や各都道府県などの公共機関は、避難所の指定・整備を行ったり、建物の耐震対策の補助を行ったり、災害情報の周知を行うなど、様々な活動を行ってます。

 また、災害発生時は、自衛隊や警察、消防などによる救助活動、支援物資の運搬、仮設住宅の建設などなど、公的機関による様々な対応が行われてます。

 これらの公的な対応のことを「公助」といいます。

 この「公助」があるからといって、なにからなにまでそれに頼ってしまうのは非常に危険です。

 これは、国などのお役所は当てにならない、という意味では無くて、「公助」にも限界があるためです。

 過去の大震災では、「公助」を行うための人や機関が被災したことで機能しなくなるという事態に見舞われました。

 自然の力は計り知れないため、時に想定外の事態が発生してしまうことは十分にあり得ます。

 これを、想定しなかった方が悪い、というのは簡単ですが、自分の命を落としてしまっては文句を言うことも出来ません。

 「公助」に依存してしまうのではなく、まずは「自助」と「公助」で努力してみて、足らない部分を「公助」で補うという考え方が重要だと思います。

 そのためにも、「公助」の関係機関(現場に出る方々ではなく、特に物事を決める立場の方々)には、最後の拠り所という自覚を持って、人命最優先で真摯に対応して頂きたいものです。

「自助」「共助」「公助」は全て大切な考え方

 これまでの説明で、「自助」「共助」「公助」は、どれが一番重要ということはなく、どれも欠くことのできない重要な考え方であることがご理解いただけたと思います。

 3つはどれも重要で、どれが一番大切ということはありません。

  • まずは基本となる「自助」に可能な限り取り組む
  • でも一人の力は小さいので積極的に「共助」の取り組みの場に参加する
  • 一人の力でも小集団の力でもどうしようもないことについて公助の取り組みで救ってもらう

 「どれをどの程度のバランスで」という考えは、私は全く無意味な考えだと思います。

 何を指標とするかでバランスなんて変わってしまいますし、この言葉だけでは非常に曖昧で、誤解の元だと思います。

 私の考えは、これです。

「自助」は「共助」や「公助」のために。「共助」は「自助」や「公助」のために。

「公助」もまた然り。

「第一回 防災に必要な考え方」を終わります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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