前回は、防災の基本的な考え方である「自助」「共助」「公助」の中の「自助」について、災害発生時の行動の重要性についてまとめました。
今回は、「自助」の中の、災害がひとまず収まってから避難するまでの行動・身の守り方です。
災害が発生した後、なんとか生き延びることが出来たとします。
しかし、そのあとの行動次第では、それが無駄になってしまう可能性がまだまだ大きく残ってます。
別の見方では、あなたが生き残って行動を行ったからこそ、他の人の命を救うことが出来た、ということも大いにあり得ることです。
本サイトの内容は、公共機関のサイトの内容を基に記載しております。参考にさせて頂いたサイトは記事の最後に列挙しておりますので、そちらのほうもぜひご覧ください。
災害がひとまず収まってから避難するまでの行動・身の守り方
重要なポイントを7点挙げておきます。
1.頭を守る
前回の「第二回 自助-災害発生時の行動の重要性について」でも頭を守ることの重要性について書かせていただきました。
避難する際におきましても、同様に頭を守ることは当然重要です。
慌てずに落ち着いて頭上や周囲の状況を確認しながら行動しましょう。
2.避難可能な出口の確保
災害が一旦収まった直後は大丈夫でも、その後の状況では窓やドアが開かなくなったり、棚の転倒などで出口が塞がれてしまい外に出られなくなる可能性があります。
避難しなければならない事態になったときのために、出口の確保はとても重要です。
3.テレビやラジオ・役場などの正しい情報の収集
現在の状況や今後想定される脅威などについて「正しい情報」の収集を行う必要があります。
例えば、余震情報や気象情報などや、地震の影響でその地域の避難所が使えなくなっているとか、いつも利用している橋が流されて通行できないとか、どこどこの場所で配給を行っている、などなど、今後の安全な行動の選択のためには情報、それも正確な情報が必須です。
過去にも何度かありましたが、心無い人たちによるデマ情報が流される場合もありますので、SNSの利用には注意が必要です。
日頃から政府機関や自治体などの公式情報の入手方法を確認しておきましょう。
また、消防署や警察署への連絡は通報だけにして、災害状況の問い合わせは絶対にやめましょう。
4.役場からの避難指示・勧告にできるだけ従う。
災害が発生した場合や発生する危険性が高い場合、役場などから、「避難指示(緊急)」や「避難勧告」、「避難準備・高齢者等避難開始」の避難情報が発令される場合があります。
※公表された内容はこちらで参照可能です。内閣府「みんなで減災」サイト内のPDF資料です。
改定されることがありますので、最新情報を入手するように心がけましょう。
これらの発令は法的な拘束力はありませんが、それぞれに危険度の度合いや推奨行動などが定義されてます。
「避難指示(緊急)」が最も危険度が高い場合に発令される避難情報で、「避難勧告」がその次に位置付けられてます。
高齢者や障害をお持ちの方、乳幼児をお連れの方などは、避難に時間が掛かることが想定されますので、「避難準備・高齢者等避難開始」という発令が制定されてます。
災害が発生した場合には「災害発生情報」が発令されます。
最新の避難情報をいち早く入手して、正しい判断材料として活用しましょう。
5.家から避難する場合は電気のブレーカーやガスの元栓を閉める
そんなの当たり前でしょ、と思う方もいらっしゃると思いますが、実際に被災して避難するという精神状態のときに、そこまで気が回るでしょうか。
私は自信がなかったので、これを重要ポイントとしました。
忘れずに切りましょう!
これを忘れた場合、通電火災(電気機器のスイッチやブレーカーを落とさずに避難したことによって、電力の復旧後に電気機器が作動したり、回線内でショートが発生してしまい、それが元で火災が発生すること)の原因になってしまう可能性があります。
ガスの場合は、機器やホースの破損などでガス漏れが発生する危険があります。
6.車での移動は避けて徒歩で移動する
都会や田舎など、車の多さや道の広さなどは関係なく、どんな地域でも車での避難は避けた方が良いと思います。
他の避難する車で混雑するだけでなく、状況によっては地割れや崩落、落下物などで道路自体が通行不能であったり、救助・消火活動によって交通規制があったりと、思うように移動できない可能性が大きいからです。
可能な限り徒歩で移動しましょう。
安全確実に非難するために、日頃から徒歩で移動可能な避難所を複数抑えていた方が良いと思います。
また、運転中に災害が発生した場合は、車を路肩に寄せて、ひとまず落ち着いて情報収集を行いましょう。
避難する場合は、状況によっては救出活動の支障にならないように、ドアはロックせずにキーはかけたまま避難することが必要な場合もあります。
7.隣近所への声掛け
高齢化が進む現代では、避難すること自体が非常に負担になる方が増えてきています。
もちろん自分と自分の身内の安全が最優先ですが、余裕がある場合は積極的に隣近所の避難を援助するように心掛けたいものです。
その他には、以下のようなものがありました。
- 歩くときは、落下物や散乱したガラス・蛍光灯の破片などに注意すると同時に、ヘルメット等で頭を保護し、靴を履くなどする。近くにヘルメットや靴がない場合は、鍋やスリッパ等で代用する。
- 飛散物に注意し、周りの状況を確認し、身の安全を確保する。道路に亀裂が生じたり、マンホールなどが隆起しているおそれがあるので注意する。
- 家の倒壊など、身の危険を少しでも感じたら、所定の避難所にためらうことなく避難。
- 火災が発生している場合は、災害が一旦収まってから初期消火(出火の初期の段階で一般人が消火器などで応急的に行う消火作業)を行います。でも、個人でできるのは初期消火までです。大きな火災の場合は、逃げることを最優先に考えましょう。
- ものを持ち出す場合には、両手が使えるようにリュックなどを利用する。
- ライターの使用は控える。宅内の電気のスイッチを入れない。
- 避難時は玄関先などに避難先のメモを残す
ちなみに、NTTの公衆電話は災害状況によっては無料開放される場合があるそうです。知りませんでした。
また、停電しても硬貨を使用して電話をかけることができるそうです。
NTTの公式サイトの災害対策ページに掲載されてました。「NTT 災害対策 無料」でGoogleで検索するとトップに出てきます。
公衆電話の場所も押さえておきたいですね。
「第三回 自助-災害が一旦収まってから避難するまでの行動ポイント」を終わります。
次回は、
「第四回 自助-避難所生活の体験談のまとめ」
です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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