防災の対策マニュアル「第四回 自助-避難所生活の体験談のまとめ」

家族で避難所生活

 前回は、防災の基本的な考え方である「自助」「共助」「公助」の中の「自助」について、災害がひとまず収まってから避難するまでの行動・身の守り方、と題してまとめました。

 今回は、避難所生活の体験談をまとめてみました。

 大規模災害が発生すると必ず避難所が開設されますが、私はこれまで、避難所に着いたら一安心できると思ってました。

 当然、自宅が被災した場合は、避難所に来れば一安心出来ると思います。

 しかし、避難所でも、ちゃんとした心構えがないと、かなりの苦痛を強いられる場合があることを、今回防災について調べて知りました。

 今となっては、考え方や身分、普段の生活レベルなどが異なる人々が一カ所に集まって生活することになるのだから、色々問題が起こってもおかしくないな、と思っています。

 だからこそ、避難した後のことも含めて、事前に準備をしておくことが大事になってくるのです。

避難所生活の体験談のまとめ

 避難所での生活について様々な体験談を読ませていただきました。

 緊急時なので仕方ないとは思いますが、かなり大変な状況になっているようです。

 いつ避難所を利用する状況になるかわかりませんので、突然その時が来て失望したりパニックにならないように、あらかじめ避難所がどのような状況におかれるのかを認識しておくことは大切だと思います。

場所やプライバシーの確保が困難

 避難所に着いたら、まずは場所の確保が重要ですが、先着順の場合が多く、後から着た人は廊下などの通路しか空いてないという場合もあります。

 場合によってはトイレの近くということもあり得ます。

 災害直後の避難所は、最初から設備が万全というのは難しく、当然プライバシーの確保は困難です。

ストレスによる不眠

 他人がいつもすぐ横にいる状況で生活をする必要があるという状況だけでもストレスになると思います。

 それに加えて、話し声、寒さ、臭い、照明、夜間のいびき、トイレ、空腹、などなど挙げてもきりがないほどストレスの要因はたくさんあります。

 普段自宅にいるときは自分でコントロールできるのですが、避難所では非常に困難です。

トイレ問題

 トイレはほぼ水洗ですので、災害で断水が発生すると利用できなくなります。

 仮設トイレが設置されたりもしますが、運用次第では許容量をオーバーしてしまい、衛生上の問題が発生したり、使用不能になってしまうそうです。

 また、基本的にトイレは汚れるものですので、定期的に清掃しないとすぐに悲惨な状況になります。

 更に、仮設トイレは、洋式より和式のほうが多いそうです。

 かがむことが困難な方はかなりの苦痛を強いられることになるようです。

お風呂の心配

 災害の報道などで自衛隊の仮設風呂をご存知の方は多いと思います。

 しかし、全部の避難所にあるわけではなく、基本的にしばらく風呂には入れないと思っていたほうがよいようです。

 運良く被災を逃れた銭湯などが、被災者に無料開放したというお話があります。

 また、災害発生時からしばらくして、道路の整備も整ってくると、車が無事だった場合は、隣県まで数時間かけてお風呂に入りに行く方もいらっしゃったようです。

衛生面の心配

 1つの空間に多くの被災者がひしめき合っている状況ですので、健康被害が懸念されます。

 定期的に換気したほうが良いとは思いますが、集団生活では困難かもしれません。

 風邪やインフルエンザ、食中毒なども広がりやすいようです。

 また、乗物で長時間同じ姿勢で座ってますと、エコノミークラス症候群になりやすくなるお話は聞いたことがあると思いますが、避難所でもエコノミークラス症候群で病院に搬送されるケースが多いそうです。

ペット問題

 私は知らなかったのですが、避難所のペット問題が年々大きくなっているそうです。

 2014年の中学生以下の人口とペットの数を比較したら、ペットの方が多かったという事例がありました。

 ペットは年々増えているんですね。

 ペットを避難所内の人間と同じ空間に入れてしまいますと、居住スペースが限られているため、ペットのスペースの余裕がないことや、動物の臭いや鳴き声に好意的でない方もいらっしゃったりと、色々問題になるようです。

盗難問題

 災害が発生しますと、倒壊した家の空き巣の被害が多発します。

 世界で考えた場合、日本の被害件数は少ないようですが、2016年4月に発生した熊本地震では、ほんの2週間もの間に30件以上の被害が確認されたそうです。

 確認できていないものも含めたらかなりの数になるのではないでしょうか。

 また、避難所内の盗難も発生しているそうです。

 避難所内では施錠出来る場所がありませんので、個人の備品などは基本的に置きっぱなしです。盗難にあってもおかしくありません。

 一方で、自分で使ってしまったことを忘れて、盗まれたと勘違いしてしまうこともあるようです。

まとめ

 以上、私が調べていて気になったポイントを挙げさせていただきました。

 これ以外にも重要なポイントはあると思います。力不足で調べきれなかったポイントもあると思いますので、情報を入手し次第更新したいと思います。

 自分の家で普通に生活していたのが、災害によって突然に一変してしまい、更に普段は経験しない他人との集団生活を慣れない環境で強いられてしまいますので、上に挙げたもの以外にも様々な苦難が待っていると思います。

 とはいいましても、雨風をしのいだり、配給を受けたり出来ますので、避難所で運命的に出会った人々と協力しあって、大変なときを乗り切るよう心掛けたいものです。

「第四回 自助-避難所生活の体験談のまとめ」を終わります。

次回は、
第五回 自助-災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、備蓄品 Part1
です。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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